Japan Creek
ジャパン クリーク



Japan Creekという名前は私が勝手につけた。
なぜなら5万分の1地図に川は載っているものの名前が無い。
ニュージーランドに日本の川があってもいいと思い、この名前を付けた。
探して見つけた訳ではなく、偶然出合った川だった。
架かる橋も、道も無くまず人目につく川ではない。
広い牧場の中に突然現れ、3kmほど流れて湖にそそぐ。
川幅4〜6mほどで、水草を揺らし音もなく流れている。
丸一日釣るほどの川ではないけど、
たいてい5〜10尾ほどの魚を見つけることができる。
湖育ちのでっかい魚が飛び越えられそうな小さな流れにいるのがすごい。


Mossとはミズゴケのことだった

こんな人目につかない川を見つけたのは、
その近くにすむ子供たちと遊んでいるときのことだった。
子供たちが日本に輸出しているMossを見せてあげると言い、
牧場の中へと私を連れて行ってくれた。
Mossが何なのかさっぱりわからない私は、ひたすら少年たちの後を追った。
牧場を奥へと進むと、ジャブジャブした湿地の中にMossがあった。
「あーこれねぇ」とわかったのは、ミズゴケだった。
洋ランなどの植え込み材料になる苔だ。
子供が夢中でMossの説明をしてくれるけど、
私はすぐ脇を流れる小川が気になった。
澄んだ水が水草を揺らし流れる小川はまさにスプリングクリークだった。
Mossのことはどうでもよくなり、
川をにらみながら下流へゆっくり歩いていると、
思った通り、ぶっといマスがユラユラと気持ち良さげに泳いでいた。
偏光メガネが無くてもはっきりとその姿を見ることができた。


          
澄んだ水に魚はくっきりと浮かび上がる

夕方子供たちと別れてからさっそく釣竿をもってさっきの小川に向かった。
川が細くキャスティングが狂えばすぐに草にひっかかってしまう。
セミフライに口を開けてくれた魚は掛けた後も大変で、
バンクに潜られないように、必死に草をよけて取り込んだ。
66pのムッチリとしたブラウンだった。
1尾釣ったところで陽は傾き、大満足で車に戻った。

これがJapan Creekとの出会いだった。
ニュージーランドにはこの程度規模の川がいたるところにあり、
たいていの流れに魚がいると思う。
小さな川でも少し下流に下れば、そこそこの川で思わぬ魚がいた。
なんてこともあるかもしれない。
勝手に名前まで付けて、
自分だけのスプリングクリークをもてるのもニュージーランドならでは?かも。

02年3月7日Haupiriより


             
Japan Creekのビッグブラウン

       back to top       back to fishing